
『ウィッチャー4』の「State of Unreal 2025」テックデモは、ゲームの可能性を垣間見せるものだったが、重要なのは、これが最終製品ではなく、あくまでテックデモであるという点だ。映像は非常に印象的で、ベースPS5ハードウェアでスムーズな60fpsを達成していたが、CDプロジェクトレッドは、このプレゼンテーションが完成版のゲームを明確に示すものというよりは、コンセプトの実証としての役割が強いことを明確にしている。
ベースPS5での60fps目標

「State of Unreal 2025」イベントでは、このデモが写真のようなリアルなグラフィックスと流れるようなパフォーマンスで観客を魅了し、標準的なPS5ハードウェアで毎秒60フレームを維持した。CDプロジェクトレッドの代表者が6月3日にEurogamerに行ったインタビューによると、PS5での60fps達成は重要な目標であり続けるが、全プラットフォームにおける最終的なパフォーマンス目標はまだ確定していないという。
同スタジオは、開発がまだ初期段階にあり、ビジュアルの忠実度とスムーズでレスポンシブなゲームプレイを両立したオープンンワールド体験を提供するため、Epic Gamesと緊密に連携していることを強調した。「すべてのプラットフォームにおける正確な仕様を確認するにはまだ時期尚早ですが」と担当者は述べ、「信じられないほど美しく、シームレスに遊べるゲームを作ることにコミットしています」と付け加えた。

デモは興奮を誘ったものの、CDPRは期待値の管理に慎重だ。同スタジオは、高い期待が技術的な問題に直面した『サイバーーパンク2077』発売後の反動を思い起こしている。今回は透明性を重視し、このテックデモが最終的なゲームを反映するものではないことを明言している。むしろ、Unreal Engine 5で開発が進められているツールやエンジン機能を強調するものだ。示された特定のキャラクターモデル、環境、メカニクスは、最終版では大きく異なる可能性がある。
Unreal Engine 5 テックデモ:可能性のショーケース
14分間のプレゼンンテーションでは、高度なレイトレーシング、Naniteジオメトリ、Lumenライティングなど、Unreal Engine 5.6の最先端の機能が披露された。デモは、怪物に襲われた馬車の残骸に到着するチリの登場から始まる映画的的な襲撃シーンで幕を開け、その後リアルタイムのゲームプレイに移行した。
プレイヤーはチリを操作し、雪に覆われた風景を探索し、環境とインタラクションし、手がかりを発見する。デモでは、チリの賢い相棒である駿馬ケルピーが注目され、UE5のML Deformerシステムにより駆動される生き生きとしたアニメーションが特徴だ。この技術は、筋肉のリアルな変形と動きを可能にし、移動中の没入感を高める。
披露されたUnreal Engine 5の主な機能は以下の通り:
- Nanite Foliage: パフォーマンスの低下なしに、密集した非常に詳細な植生を実現。
- Fast Geo Streaming: 広大なオープンンワールド地域の瞬時のローーディングを可能にし、従来のローーディング画面を排除。
- MetaHuman AI Crowds: 高度なAIによって駆動されるリアルなNPCで町を埋め尽す。
- Mass Framework: 大規模での複雑な群衆の行動と動的な相互作用を管理。
デモではまた、ウィッチャーシリーズでこれまで未公開だった新地域コヴィルも紹介された。この地域は設定上、中立と富で知られている。チリは、この氷の地域の港として機能する辺境の山岳都市ヴァルドレストを訪れ、豊かな雰囲気とストーリーテリングの可能性を秘めた新たな舞台を提供する。

特筆すべきは、戦闘ゲームプレイは一切示されなかった点だ。焦点はアクションシーンではなく、グラフィックスの忠実度、ワールドビルディング、そしてエンジンの能力に置かれた。それでも、ファンはその細部へのこだわりと次世代のウィッチャー体験への期待に魅了された。

『ウィッチャー4』はPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC向けに発売が確認されているが、正式な発売時期は発表されていない。最新情報については、公式チャネルと信頼できる情報源に注目してほしい。
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